数億稼ぐディーラー
先日、証券ディーラー時代の元同僚(Y氏)と飲んでいた時の話です。
彼は当時から先物ディーラーの世界では有名で、年間数億円を稼ぐディーラーでした。
手数の多さ、そして有事の際は群を抜いて儲けます。
兎に角、相場がボラタイルになっている時のチャンスを絶対に逃しません。
現在の相場でも同様のことが言えますが、ボラティリティが高まっている状態はリスクでもありますが、リターンを得るチャンスも多いのです。
ボラタイルとは?
ボラタイルは、マーケット全般で使われる用語で、相場の値動きが激しい様子のことをいいます。これは、ボラティリティ(価格の変動率)が高まっている状態のことで、今後の相場展開において、大きな変動や乱高下が予想されることを意味します。引用元: ボラタイルとは|金融経済用語集
現在のアルゴリズム取引などのHFT(高頻度取引)もこのボラが高ければ、それだけチャンスが多くなるので、プログラムが活発に走るので、自ずと出来高(売買代金)も増えることになります。
つい最近、日経平均が膠着状態になった時に売買代金が減少しましたが、相場が動かなければチャンスの機会が減るので、悪循環になるのですね。
前述のスーパーディーラー(Y氏)の話に戻します。
彼は現在、活動の一部でテクニカル分析に興味のある個人投資家向けセミナーに講師として呼ばれ、話をしているそうです。
一体、億を稼ぐ人間は何を話しているのか?
私はというと個人投資家に向けて、テクニカル分析を過信しないように促している人間ですから、彼のセミナー内容について、相反する部分があると思うので、どんな内容か訊いてみました。
佐藤「個人投資家さんに対して、移動平均線やボリンジャーバンドなどのテクニカル分析の話をして、ウケますか?」
Y氏「テクニカルの話など、一つもしませんよ」
佐藤「ええ? じゃ、何の話をしているの?」
答えは、簡単に言うと、過去のディーラー時代の売買経験の話をしているというんです。
過去のマーケットを揺るがす大きな出来事、各国の金融政策変更や○○ショック、○○戦争、大地震などが起こった時にどのような行動をとったか、ということについて語っているそうです。
当然、相場に興味がなくても社会的に記憶に残っている出来事があったときの話なので、聞いている側も記憶を呼び戻すことで共感が得られるのでしょうね。
すごく納得しました。
巷によくある一般的なテクニカル分析の話などは、すでに書籍などでほとんどの市場参加者が知っている内容です。
そんな話を聞いても、利益にならないことは、すでに多くの個人投資家は身を持って経験済みです。
それでも売買の判断をするために、何か基準が欲しいので、テクニカルを勉強するのです。
でも、個人投資家が本当に知りたいことは、その先にあるもっとリアルな世界観なのですね。
テクニカルで儲けていたのか?
そこでさらに突っ込んで訊いてみました。
佐藤「ディーラー時代にテクニカル分析で儲かった記憶ある?」
Y氏「ないですね」
佐藤「やっぱりね(笑)」
まあ、全くないワケではないと思いますが、売買の判断をする上で、一番重要な部分は実際の相場から得られる情報です。
これは完全に意見が一致しました。
彼の場合は、手数が多い分、売買をしてると相場の強弱感が伝わってくるというようなニュアンスで解説していました。
テクニカル分析などの机上の計算ではじき出した数字では、こういったマーケットが教えてくれる相場の方向性は分からないのです。
私が予てから「値動き」が重要であると言っている話と同じなのです。
彼の投資対象は「先物」で、私は「現物株」ですが、投資判断をする基準は同じ視点であったということです。
勘違いしないでいただきたいのは、私もY氏もテクニカルを完全否定しているワケではありません。
テクニカル分析は使い方次第で、有効な部分も多々あります。
特に相場に大きな影響のある投資家は、このテクニカルを利用して他の市場参加者を翻弄することもあります。
それらを考慮した上で、テクニカル分析を過信することなく、自分自身でマーケットが教えてくれる相場の方向性に気づくことが大切なのです。
マーケットが開いている限りチャンスは何度でも訪れます。
自分を信じて、自分で売買の判断できる個人投資家になり、株式投資で人生を豊かにして、周りの人も幸せにしてあげましょう!
今日の相場格言
「自分のやったトレードから学ぼうとする人間は進歩する」
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