みんなの結果が、現れている。それが・・・
こんにちは。元ディーラーの佐藤です。
多くの投資家は「情報」や「知識」を集めて売買の判断をします。
そして、その結果が株価変動になります。
この株価変動を見てから、行動を起こす投資家も多いでしょう。
つまり、それらすべての市場参加者の売買の結果が現在株価なのです。
当たり前といえば、当たり前のことです。
ですが、この本質を解っている人というのは、あまりに少ないのだと思います。
※その本質については、メールマガジンでお話しています
ディーラー時代に本当にあったお話。
実際に、私がディーラー時代にあったことなのですが、
ある銘柄がストップ安したことがありました。
ストップ安とは?
株式市場において、株価が1日の値幅制限まで価格が下落すること。
各証券取引所では、前日の終値を基準にして値幅制限を設けている。例えば、前日の終値が1200円の場合、当日の値幅制限は300円と決められているので、株価は900円から1500円の範囲で変動する。ストップ安は、株価が900円をつけた時で、それ以上は値下がりすることはない。
ストップ安は、赤字転落や減収減益というような企業の内的要因で起きることが多い。また、戦争や自然災害などの有事、ブラックマンデーやリーマンショックなどの金融不安が発生した時にもストップ安になる銘柄がある。
当時、一番儲かっているディーラーが私のところに来て、
「この銘柄、何か悪材料出たんですか?」
と、訊いてきたのですが、特に情報は入っていませんでした。
私と隣席の先輩は同業他社などからの情報網があり、大体はわかったのですが、このストップ安の要因はわかりませんでした。
「何にも出ていないと思うけど・・・。」
と、先輩と顔を見合わせながら答えると、
そのスーパーディーラーは直ぐに自分の席に戻り売買発注端末から、その売り気配の玉をすべて買ってしまったのです。
次の瞬間、、、ストップ安していた株価は一気に急反発することになります。
この話を「やっぱり情報って大切だよね」と思われた方・・・それは、ちょっと違います。大事なことはそこではないのです。
この話で重要なことは、「ストップ安を買う勇気」です。
結果的には大きな利益になるのですが、このような行動を取ることができるのは、ディーラーでもそうはいません。
ストップ安しているのですから、本当に何らかの悪材料が出ていたのかもしれませんし、もしかしたら大きな損失を被っていたかもしれないのです。
株価が反転して、ストップ安の値段に買い注文が増えていくと、さらに安心感が広がり、「自分も買いたかった」と後悔した投資家(ディーラー含め)はたくさんいたことでしょう。
買いたかったら最初に買えばいいのですが、買えないのです。
「損失に対する不安」「その先に何があるのかわからない恐怖」が増幅している状態ですから。
ポジションのあった投資家は、「何が原因で急落しているかわからないが、更なる損失の拡大を回避しよう」と、とにかく早く損切りしようと行動します。
ストップ安になる理由も考えずに「損切りは早く」というやつですね。
こうして安値が付けば付くほど、売りが売りを呼ぶ状態になり、その結果が「ストップ安」なのです。
今で言えば、逆指値・ストップロスの弊害かもしれませんね。
※逆指値とは?
逆指値とは、通常の指値注文とは逆で、指定したトリガー条件(※)より株価が高くなったら「買い」、安くなったら「売り」の注文が自動的に発注される注文方法です。
※ストップロスとは?
ストップロスは、損失を一定範囲にとどめるための損切りライン(ロスカットライン)、または逆指値注文(ストップロスオーダー)のことです。
当社では、逆指値、W指値、トレーディングストップなどの様々な自動売買機能があります。引用元: ストップロス |金融/証券用語集
しかし、そのストップ安で売ってしまった投資家の売り注文が約定された瞬間に状況が一変したワケです。
逆の現象が起こるのですね。
誰かが買えば、そこに安心感が生まれ、上がれば上がるほど追随する投資家からの買い注文が入るようになります。
損切りした投資家も慌てて買い戻すでしょう。元々、上がると思って買っていたのですから。
投資家の心理とはこういうものです。
ここで重要なことは、この売り気配の玉を全部一人で買わないとインパクトは起こりません。
なぜならば・・・
複数の投資家で買った場合、誰かが直ぐに利食い売りを出してしまうと追随して、利益確定の売りが出てしまうことで勢いが止まってしまい基の流れに戻ってしまうのですね。
これが目先の需給です。
多くの投資家はプロもアマも関係なく、「いつも自信がない」のです。
常に周りの状況を覗いながら、投資行動を起こします。
「大衆は常に間違う」の本質とは?
有名な言葉でもあるので、知っている人も聞いたことがある人も多いと思います。
大衆と反対の行動を取る「逆張り的な売買」が良いようなイメージですが、本質は違います。
大勢と逆をやるから、利益になるワケじゃありません。
この話は15年くらい前の話なのですが、今の相場でも通用する相場の捉え方なのでご紹介します。
まず、最初に本当にネガティブ材料がないかを確かめています。
完璧に調べなくても、今で言えば簡単にインターネットで検索して調べる程度でいいのです。
次に重要なことは、板状況の観察です。
ストップ安の売り玉が時間経過と共に増えていなかったのでしょう。これは「目先の売り玉はこれ以上出てこない」と受け取れます。
そして板に出ているストップ安以外の売り注文が薄かった、ということなど緻密に観察した上で勇気を持って買い向かったのですね。
このように相場の空気を読んだ、勇気ある行動が大きな利益になるのです。
なかなか、簡単にできることじゃないです。
相場の勢いを、値動きを観察することで感じ取るのです。
アローヘッドの導入から、こういった板状況から得られる情報がなくなってしまいましたが、少し見方を変えると見えてくるものがあります。
移動平均線などの一般的なテクニカル分析ではわからないのです。
FXなどでは味わえない、株式投資の面白さはこういったところにもあります。
今日の話は少し、難しい内容だったかもしれませんが、「そういうこともあるんだ~」くらいに記憶の片隅においてもらえれば大丈夫です。^^
あなたも株式投資で週末副業を行い、豊かな人生を謳歌しましょう。
※参考チャート(日神不動:8881)
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