大型連休の相場動向分析
こんにちは。元ディーラーの佐藤茂利です。
行楽シーズンということで、夏季休暇を取得する方もいれば、「そんな暇はない」という方もいらっしゃると思います。
ここで少し、10連休という大型連休となったゴールデンウィークの相場を少し振り返り、「予想・予測」の観点からまた別のお話をさせていただきますので、ぜひご覧ください。
日経平均株価は2日で650円以上の下落となりました。
5月8日:2万1,602.59円 -321.13円
5月7日:2万1,923.72円 -335.01円
きっかけはトランプ米大統領がツイッターで、中国からの輸入品への関税を大幅に引き上げると表明したことで、世界各国の株価に影響が出ました。
当日のNYダウは一時、前週末に比べて470ドル程度下落しましたが、その後は買い戻しが入り、66ドル安まで下落幅は縮小。
しかし、翌日はトランプ大統領の呟きに続き、
米国の交渉責任者ライトハイザー代表が正式に表明したことでNYダウの下げ幅が一時600ドルを超えた場面もあったようです。
(終値では473ドル安)
マーケットは上へ上へ行きたがっていたのですが、それを尽く邪魔している状態になりました。
新たな材料が出てしまえば、予想・予測は無意味
結果的に日本のゴールデンウィーク中には懸念されていた暴落は起こらなかったものの、
トランプ米大統領の呟きから、米中貿易摩擦の再燃が懸念材料となって下落ということですから、10連休だから、GWだからということではなく、これまでと同じパターンが続いているだけのように思いました。
ほとんどチキンレース状態ですが、また歩み寄りが見えたら株価は戻すパターンになるのでしょう。
しかし、このまま悪い方向へどんどん進む可能性もあります。
この2つの経済大国が、わざわざ世界経済を悪化させるとは思えませんが、今後も何が起こるか分からないですね。
そういう意味では、いつも言っているとおり、「予想・予測」は無意味であるということでしょう。
新たな材料が出てしまえば、相場の方向性など簡単に変わってしまうのです。
AI投資の実態と可能性
話は変わり、お問い合わせいただいたメールに
「AI(人工知能)の影響で個人投資家に勝ち目がなくなるのでは?」
という質問がありました。
最近はAIを使った投資が流行っているからでしょう。
皆さんはどう思いますか?
『AI 対 人間』
という話で言うと、AIの予想・予測の方が優れているというイメージなのでしょうが、結局、過去の膨大なデータから予測することになるので、
このGWのような新たな材料が出てしまえば、AIも人間も関係なく、予想・予測はハズれることになります。
また、AI投資が完璧であるかのような投資商品もありますが、1対1の将棋や囲碁の世界と違って、
不特定多数の市場参加者の投資心理が相場を作るマーケットでは“想定外”が必ず起こります。
予測不能なわけです。
AI自身もまた、その時点でのすべてのデータを基に最良の答えを出そうとするので、時間軸などを考慮したら答えが大きく変わってくることになります。
基本的には目先のリスク回避行動と最善の投資先への資金移動でしょうから
1週間、1ヶ月、半年や1年先を想定した判断はしないでしょう。特に人間の心理(感情)というものは機械には到底わからないでしょうね。
単純に「AIに人間が勝てない」ということにはならないと思いますね。
もし、AIが完璧なら相場が成り立たなくなるでしょうし、AI対AIの戦いになったら、どちらが勝つのでしょう?
同じデータを基に最良の答えを見つける作業です。
片方が動けば、もう片方はそれに対応することになります。予想・予測とかいう話ではないですね。
皆さんも、これからの相場環境がどのようになるのか想像してみてください。
欲や不安、期待を排除した投資は人間には難しいでしょうが、感情を排除したシステムトレード(自動売買)は儲かっても楽しくないと思います。
何か、映画やアニメの中の話のようになってしまいましたが、視点を変えると、もっと複雑になるので、このあたりで止めておきます。
相場の世界もどんどん変わってきていますから、また、別の機会に考えてみたいと思います。
株式投資を楽しみながら資産を増やし、より充実したゆとりある人生を手に入れましょう。
今日の相場格言 「百冊の理論書は一回の売買にしかず」
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