私が移動平均線を売買の判断に使わない理由
本日は多くの市場参加者が必ず見ている、「移動平均線」についてお話したいと思います。
私が「移動平均線を売買の判断に使わない」ということは、すでに皆さんご存知だと思います。
では、何故、使わないのか?ということなのですが、
テクニカル分析の基本中の基本ですから、私も証券会社に入社してから、ディーラー時代は特にですが、移動平均線を注視してきました。
しかし、移動平均線を判断基準にした売買で、利益を得た記憶がほとんどないのです。
それはテクニカルを勉強し、実践してきた多くの個人投資家の皆さんも同じではないかと思います。
教科書どおりに
GC(ゴールデンクロス/買いサイン)
DC(デッドクロス/売りサイン)
で売買しても、想定どおりの結果にならないことが多いのです。
“移動平均線では儲からない”と言っているワケではありません。
相場解説にはとても使いやすい指標なので、どうしても重要視してしまいますが、こういった判断基準は使い方(時間軸や局面)次第なのです。
簡単に言うと、どんな相場局面でも、
『GCだから買い』『DCだから売り』ではない、
ということです。
リバーサルチェッカーで抽出した銘柄も同じです。
【買転換】だから、兎に角「買い」ではないのです。
それまでの流れ、株価位置、相場局面が重要なのです。
特に移動平均線を使った考え方で注意した方がいいのは時間軸です。
これは毎月行なっているセミナーでも、よく質問されるのですが、オブザーバーで参加してくれている私の元同僚が説得力のある解説をしてくれます。
東京証券取引所の売買シェアの6~7割を席巻しているのは海外投資家
現在、東京証券取引所の売買シェアの6~7割を席巻しているのは海外投資家です。皆さんもご存知のとおり、影響力はかなり大きいです。
その多くの海外投資家は、5日や20日、25日などの短期の移動平均線を売買の判断基準にしていないそうです。
そもそも移動平均線は「グランビルの法則」が基本です。
▼グランビルの法則(コトバンクより)
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87-485903
200日移動平均線という長期トレンドが基本で個人投資家が重要視している、短期(目先)投資の時間軸ではないのです。
近年、売買システムやテクニカルツールの進歩からどんどん時間軸が短くなり、スピード重視のトレード環境になってしまいました。
時間軸を短くするからダマシが多くなり、再現性が低くなるのです。
専門家の相場解説では海外投資家の売買動向が重要視されます。
その日本市場に大きな影響を与える海外投資家が、ほとんど見ていない指標を基準にトレードをしているのが、日本の多くの個人投資家の現状ではないでしょうか。
ただし、すべての海外投資家が同じ長期投資ではありません。短期で大きな資金を動かすファンドもあります。
その中の一つに、短期の移動平均線を逆利用したものがあるのでしょう。
これは移動平均線を基準に売買の判断をしている、日本の個人投資家の投資心理を逆手にとったものです。
例えば、こういったことが想定できます。
【GCで買って、マイナス2%で損切り】
という一般的な仕掛けと手仕舞い(ロスカットルール)で売買している個人投資家に対して、逆の投資行動を取られたら如何でしょうか。
GCに売り向かい、ロスカット(-2%)に抵触するようなプログラムだったら。
個人投資家が損切りしている場面でしっかり買い戻し利益を得るイメージです。
正に「カモネギ」状態です。
マーケットでは、こういったことが頻繁に起きているのでしょう。
私が「逆指値注文」などを入れない理由の一つです。
移動平均を基準にした売買で、残念な結果になったご経験はありませんか?
短期(目先)投資では、特にお気を付けください。
どんな状況になっても対応できるスタンスを常に維持しておくことが、投資で生き残るためには大切なのです
今日の相場格言 「辛抱する木に金がなる」
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