老後2000万円問題と投資判断の重要性
こんにちは。元ディーラーの佐藤茂利です。
ニュースでも取り上げられていましたが、老後2000万円問題で、これまで投資を行なっていなかった個人が、
慌てて投資セミナーなどに参加してるということですが
何を判断基準にするのか、常に自問自答しながら、相場に向き合っていくしかありません。
本日は「老後2000万円問題の余波。」ということで、過去の相場を踏まえてお話していきます。
6/19(水)の日経平均株価は2万1,333.87円で引けました。
前日比 +361.16円高と急反発です。
前日にトランプ米大統領が
中国の習近平主席と会談を行うとツイートしたことで、
貿易摩擦緩和への期待感から米国株が大幅上昇、日経平均も急反発となったという解説になっています。
結局、トランプ大統領の行動を発端に相場は上昇・下落を繰り返し、それに振り回されているのが投資家ということなのでしょうね。
これでは予想・予測すること自体、無意味です。
“上げては買い、下げては売り”
という投資の上ではリズムの合っていない残念な投資家が増えていることでしょう。
X(ツイッター)と投資判断の影響
相場変動の発端はツイッター(Twitter)です。
近年はインターネットの普及で、証券会社などのプロの運用担当者(ディーラーなど)と、個人投資家の情報取得スピードがほぼ変わらなくなりました。
インターネット環境さえあれば、簡単に世界中の情報を瞬時に手に入れることができます。
短期投資家が複数のモニターを使って、様々な情報に目を光らせている映像を、テレビなどで一度は見たことがあると思います。
現在、投資情報の中でも一番早いのはツイッター(Twitter)らしいです。
世界中の投資家はプロ・アマ関係なく、トランプ大統領のツイートに注目しています。
この初動を捉えることができれば、
チャンスになり、リスク回避もできるということです。
当然、その他の投資情報も無数にあり、有名な個人投資家の呟き(ポジショントーク)や、
どこの誰かもわからない人の信憑性が定かではない情報も、インターネット上には氾濫しています。
▼ポジショントーク
https://kotobank.jp/word/position%20talk-687499
これらを精査して正しい情報だけを投資判断にすることは、
かなり高度なスキルを要すると思いますから、一般投資家には難しい作業でしょうね。
直近、日本証券業協会の調査ではインターネットでの株取引が、60歳以上にも普及しているという調査結果が出ていました。
http://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/files/interan/netcyousa2019.3.pdf
あなたもこれまでの証券会社の営業マンや、投資顧問会社の推奨銘柄ではなく、
ネット情報を参考に銘柄選択を行なったことがあるのではないでしょうか。
そういう意味では本当の「投資は自己責任」という言葉が浸透してくる時代なのかもしれませんが、
他人の情報に依存している時点で“他力投資”になっているのではないかとも思います。
銘柄選択や売買の判断を他人に委ねる行為が後悔につながります。
野村證券の詐欺事件と教訓
また、残念なニュースがありました。
▼野村證券でまた詐欺事件
船橋支店営業マンが担当顧客を詐欺話に勧誘、
運用資産の大半が被害、野村は「警察に相談」
http://outsiders-report.com/archives/1485
日本でNo.1の証券会社の社員が起こした事件です。
この最大手証券に入社できたのですから、きっと、当初はエリート社員だったはずです。
それを信じてしまった個人投資家の判断基準は国内最大手証券というブランドでしょうね。
所謂、一般的な評価、価値観です。また、利息分を現金で払うことも現金依存の高い日本人の心理を突いているように思います。
この会社は過去に、何度も同様の事件が起きています。
小さな会社だったら、とっくに信用をなくし、存続すらしていないでしょう。組織に問題があるように感じますが、全員がこのような人間ではないということも事実です。
しかし、これまでの変わらない社会的評価が危機感を薄れさせ、同じ犯罪を生み出しているのでしょう。同じようなことは、いつでも起こり得るということですね。
直近、ニュースでも取り上げられていましたが、
老後2000万円問題で、これまで投資を行なっていなかった個人が、慌てて投資セミナーなどに参加してるということです。
取り敢えずは、手っ取り早くゲーム感覚で短期投資に走る投資家も増えることでしょう。
大事な資産を他人に委ねてしまい、残念な結果になる個人投資家も増えそうな気がします。
相場ですから、
大手だから絶対安心ということはありませんし、自分だけは騙されない、大丈夫ということもないです。
何を判断基準にするのか、常に自問自答しながら、相場に向き合っていくしかありませんね。
今日の相場格言 「早耳の早倒れ」
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