利益確定が早く損失確定が遅く伸び悩む
こんにちは。元ディーラーの佐藤茂利です。
本日はロスカット(損切り)についてお話しようと思います。
多くの投資家は、どうしても評価(実)損益を基準に判断してしまいますが、心理的には実損を出したくないので、売買ルールを無視してしまいます。
このパターンが一番多く、ほとんどが残念な結果になります。では、ロスカットを躊躇なく行なうためには、どうすればいいでしょうか。
その内容を含めて、過去の相場も見ながらお話したいと思います。
昨年11/21(水)の日経平均株価は2万1,507.54円で引けました。
前週の週足再陰転リバーサルの出現から、軟調なNYダウの影響もあり、上値の重い展開になっています。
ただし、日足のローソク足を見ると、この週は月・火・水と3日間は安く始まり引けは高くなる陽線が続いています。
トレンドは下落基調ではありますが、それなりに下げ渋っていることが“値動き”でわかります。
また、こういった軟調相場でも、日経平均などとは違う値動きになっている銘柄もたくさんあります。
例えば、、、
『ユニー・ファミマ(8028)』
『インターアクション(7725)』
『ゴールドウィン(8111)』
などが、そうですね。
月足チャートを見ると、強さがわかります。こういった上昇トレンドの銘柄は、
保有期間が長ければ長いほど評価益は増えていきます。
評価損が膨らむ、塩漬け株の逆ですから、保有継続すればいいのですが、
多くの投資家は上昇途中で利益確定してしまいます。
「欲」という心理が影響して、
・利益確定は早く、
・損失確定は遅く、
という状態になってしまうのです。
個人の評価損益が基準になりがちな投資心理
今回のような、
日経平均が3,000円以上も下落している局面や、NYダウが一日で500ドル以上も急落する場面では、
連れ安するのではないかという不安から、値を保っているうちに利益確定してしまいます。
それが普通の投資心理、行動でしょう。
しかし、NYダウや日経平均とこれらの銘柄とはほとんど関係がなく、株価位置や局面は違いますし、日足ベースで一時的に反落したとしても、週末(月末)には元のトレンドに戻って行きます。
結果論的には「早く売り過ぎた」ということになりますし、
これらの銘柄とは直接関係のない要因で判断してしまったことが後悔の基になるのです。
例えば、一般的なロスカットのやり方も同じなのですが、
ほとんどが個人の評価損益が基準になっています。
相場ではなく、
・運用資金の○%マイナスになったら、
・買値から○%マイナスになったら、
・評価損が○○万円以上になったら、
などです。
同じ相場、同じ銘柄をトレードしているのに判断基準が個人ベースで異なることになります。
運用資金の多い投資家と少ない投資家では当然リスク許容度が違ってきますし、
投入している資金量によって判断が変わってしまいます。
また、仕掛けている値段が違えば、買値から○%の乖離や評価損が○○万円以上でロスカット・・・
という基準自体が“タイミング次第”ということになってしまいます。
特に瞬間的な株価変動でも決済しなければならないということですから、
これでは自分の投資スタンス(ルール)を基準にして相場変動に一喜一憂することになります。
本来は、できるだけ相場を基準に株価(終値)という結果で判断していくべきなのです。
ロスカットを躊躇なく行うには評価損益を見ない
しかし、多くの投資家は、どうしても評価(実)損益を基準に判断してしまいます。
繰り返しますが、
・今月は○○万円利益(損失)がでているから、
・先月までの利益(損失)があるから、
・別の保有銘柄で期待できる評価益があるから、
・多少の評価損は実生活に影響なく、許容できるから
・ロスカットのタイミングを逸してしまったので、戻るまで我慢
といった感じです。
心理的には実損を出したくないので、売買ルールを無視してしまいます。
このパターンが一番多く、ほとんどが残念な結果になります。
特に塩漬け株になってしまうと資金が凍結してしまいますから、次のチャンスに乗ることができません。
ロスカットを躊躇なく行なうためには、評価損益を見ないことです。
“今、手仕舞いすると○○万円の損失になってしまう。”
などという考え方をしてはいけないのです。
想定と反対の結果になってしまったら潔く現実を受け入れて、機械的に手仕舞いするしかないのです。
チャンスはエンドレスに訪れますし、このトレードで投資人生が終わるわけではないのです。
もし、現在利益が出ていないのでしたら、エントリー後、評価益になったら直ぐ利益確定してみてください。
短期投資はあまりお勧めしませんが、勝ちグセをつけることは大切ですし、悪い流れを変えるためには心理的にとても有効な方法です。
スポーツ選手と同じで、
スランプの期間を如何に短くするかが重要なのです。
「休むも相場」ですが、
上げ下げのリズムを合わせていき、株式投資を楽しく行なえるようにしたいですね。
マーケットが開いている限り、チャンスはエンドレスに訪れます。
少しずつスキルアップできるように、頑張っていきましょう!
今日の相場格言 「評価益は益と思うな、しかし評価損は実損である」
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