相場は市場参加者の期待や不安・売買で決まる

相場は市場参加者の期待や不安・売買で決まる

 

こんにちは。元ディーラーの佐藤茂利です。

相場が動く要因はたくさんあり、また、そのトリガーになる材料もエンドレスに続きます。

それらをすべてチェックして判断することは、個人投資家には至難の業でしょうし、そんな知識も時間もありませんよね。

ただ一つ言えることは、「相場は市場参加者の期待と不安で動くもの」ということです。

 

今日は2月の相場を元に解説していきたいと思います。

2/22(金)の日経平均株価は2万1,425.51円で引けました。週足ベースでは、前週の再陽転から上昇トレンドが継続しています。

東京市場の相場状況的には決算発表がほぼ終わり個別で急反発・急反落した銘柄の修正相場に移行しているようです。

好決算でも利益確定売りに圧されたり、業績下方修正でも悪材料出尽くしで買い戻しから反発したり、市場参加者の評価次第で想定どおりにならない銘柄もありますね。

 

相場は予想・予測するものではなく、すべての市場参加者の売買が決めるものなのです。

 

年初からのリバウンド相場が終わらず、上昇継続となっている要因が少しずつ分かってきました。

マーケットで話題になっているのが海外投資家の株価指数先物(日経225やTOPIX)買いです。

昨年末の下落を先導していたCTA(商品投資ファンド)などが、それまでの売り持ちを買い戻しているという話です。

※CTA:Commodity Trading Advisorの略。
世界中の商品先物をメインに運用する大きなファンド

 

▼海外勢、株先物買い集中:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO41464640Z10C19A2EN2000/

海外投資家の日本株買いが株価指数先物に集中している。
米欧情勢を注視する海外勢は年初から先物を約6900億円買い越した。

海外勢の先物買いを通じて夜間取引での株価上昇が目立つ。
ただ海外勢は現物株を約7200億円売り越す。

先物は海外勢のなかでも短期筋の売買が多く、
現物株をメインとする長期投資家の買いは限定的だ。

運用規模が大きい長期投資家が強気にならないと、
株価の本格上昇は見込みにくい。

 

ダブルインバース型ETFの特徴

現物株は売り越しているので、どう受け止めたらいいのでしょうか・・・。

昨年末の株価下落の要因であった米中の貿易摩擦問題などの懸念材料が払拭されたわけでもないのですが、

FRB(米連邦準備理事会)の利上げの一時停止や、米中貿易交渉の進展期待から買いが入りやすくなっているという解説になっています。

結局、相場というものは、こういったエンドレスに続く材料を受けた市場参加者の
期待と不安で動くものなのですね。

更に、この海外勢の買い戻しに加えて日経平均ダブルインバース(1357)というインデックス連動型ETFの発行口数が、

異常なほど増加しているという話も相場を下支えしているようです。

インバース型ETFを買うというのは簡単に言うと、

日経平均を空売りするのと同じ効果があります。

 

相場下落を想定した際に需要がある投資対象ということですね。

そして、ダブルインバース型ETFというのは
原指数の騰落率のマイナス2倍動くものです。

ですから、日経平均が上昇すると、

日経平均ダブルインバース(1357)の価格は
その2倍下落することになります。

 

▼日経平均ダブルインバース・インデックスとは?
https://www.toushin.com/faq/benchmark-faq/nikkei-double-inverse/

 

ストレスフリーで株式投資を楽しむことが大切

現物株を保有している投資家がリスクヘッジに利用することもあるようですね。

この日経平均ダブルインバース(1357)を買っているのは個人投資家が中心だったのですが、直近の発行口数の急増は国内金融機関が関与しているという見方になっています。

ヘッジ目的なのでしょうが、このまま日経平均が下落しないと、手仕舞い売りを余儀なくされ、

日経平均が予想外の上昇となる要因になりかねない』という見方になっています。

さすがに海外投資家はこういった状況を考慮して仕掛けるのは上手いですね。

短期投資家のロスカット(損切り)設定に引っ掛かるように仕掛けている、“プログラム売買”に似ていますね。

常にカモネギ状態になってしまうのが、
ロスカット貧乏と言われる国内の投資家なのでしょう。

お気を付けください。と、今回は少し難しい話をしてしまいましたが、私自身も詳細についてはよく分かりませんし、

実際に今後どのように相場に影響してくるか?ということも分かりません。

この話のように相場が動く要因はたくさんあり、また、そのトリガーになる材料もエンドレスに続きます。

それらをすべてチェックして判断することは、個人投資家には至難の業でしょうし、

そんな知識も時間もありません。

結局、相場がどう動くかを予想・予測して行動するよりも、

こういう要因があって、相場が動いたという結果を見て
判断していくしかないのです。

時間軸を区切ってトレンドを確認し、迷いのない判断で株式投資を楽しみましょう。

ご自身が一番ストレスを感じないやり方で、株式投資を楽しむことが大切なのです。

株式投資を愉しみましょう

今日の相場格言
「連日の続く相場に逆らうな、ついて行くのが儲かる道」


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