試し玉・増し玉を使った投資戦略

ナンピン・増し玉の投資心理

こんにちは。元ディーラーの佐藤茂利です。

買い仕掛けた銘柄の株価が期待どおりに上昇している時は
「もっとたくさん買っておけば良かった」という後悔になります。
その時の投資心理は買い増ししてリターンを大きくしようと考えます。

本日は「ナンピン・増し玉(ピラミッディング)。」ということで、過去の相場を踏まえてお話していきます。

7/3(水)の日経平均株価は2万1,638.16円で引けました。

米国株は最高値近辺に推移しており、雰囲気的には日本株も追随して上がりそうなのですが、

ドル/円相場が円高方向になっているのが影響しているのか、なかなか期待どおりの動きにはなっていません。

今週は週初に日経平均が450円以上の大幅反発で始まりましたから、一応、しっかりした展開が続いていますが、

相変わらず、日足ベースの株価変動に一喜一憂されているかたがいらっしゃいます。

すでに何通か問い合わせメールをいただいていますが、

前週6/28に買転換リバーサルが出現した銘柄に対して週末終値から買い指値で仕掛けた場合、約定できずに上昇してしまっている銘柄が多く見られます。

前週の勢いのまま高く始まって、そのまま上昇している状態です。

チャンスを逃さない投資法「試し玉」とは?

テクニカル的には【窓(ギャップ)】を空けて上昇している状況を指すのですが、

日経平均のチャートなども同じ状態です。

このような状況においては、

「チャンスを逃した」

と感じてしまうのですが、それは結果論であると受け止めてください。

もしかしたら、寄り付きが高値で

「ジャンピングキャッチ」

になったかもしれませんし、実際に反落している銘柄もあります。チャンスは今後もたくさんあるので、あまり目先(現在)の株価変動を見て、後悔しないことをお勧めします。

もし、どうしても約定したいのであれば、試し玉から複数回に分けて分割で仕掛けるといいですね。

『試し玉』=『分割売買を行う際の手始めに仕掛ける数量』

基本は日足の押し目を拾うイメージです。

ところが日足の値動きをリアルタイムに見ている投資家は、「下げている場面ではさらに下がるのではないか?」という不安から買いを手控えます。

人間の投資心理というもは株価が上昇している時は、

もっと騰がるのではないかという期待から買い意欲が強くなります。

逆に下落している場面ではさらに下げるのではないかという不安から、リスクを取ることを避けます。

「上げては買い、下げては売り」

という投資においては残念な結果になる真逆の行動になりやすいのです。

 

買い仕掛けた銘柄の株価が期待どおりに上昇している時は

「もっとたくさん買っておけば良かった」という後悔になります。

その時の投資心理は買い増ししてリターンを大きくしようと考えます。

増し玉(ピラミッディング)です。

冷静な「増し玉(ピラミッティング)」の投資戦略

本来、増し玉はピラミッドの形(三角形)のような上に行くほど少なくするやり方なのですが、

期待と欲でなかなか冷静な行動が取れないのです。

「利乗せは最後にやられる」

という相場格言のとおり、株価が高い水準での買い増しはそれだけでリスク増となりますから、

最後には大きな痛手となって返ってくることになります。

含み損になった状態で買いコストを下げるナンピン買いも下落率などを基に安易に買い増しすると、

“落ちてくるナイフを掴む状態”になり、大怪我をすることになります。

必ず、値動きで下げ止まりを確認してから株価が下に行くほど増し玉を大きくしていきます。

ですが、上述のとおり、

評価損が膨らみ、下落している場面ではこういった投資行動が取れないものなのです。

評価損益を見ないで行動できるようになるにはかなり時間を要するかもしれませんが、常に自分自身の売買の判断基準を確認する作業を続けてください。

あなたの判断基準は

評価損益ですか?

相場ですか?

日足ですか?

週足ですか?

それとも月足ですか?

冷静になって足元を固めましょう。

マーケットが開いている限り、チャンスは何度もエンドレスに訪れます。

今日の相場格言
「上げにつれ買い玉細くすべし」


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