株式投資における「勝率」の無意味さ
『この投資法、勝率は何%ですか?』
こういった質問をセミナーなどをやると、必ずと言っていいほど訊かれますし、期間や局面などの条件は関係なく訊かれます。
そして、私が期間について聞き返すと、「昨年は?」という答えが返ってきます。
こんにちは。元ディーラーの佐藤です。
いったい、昨年の結果を訊いてどうするんでしょうか?
昨年は年初からの急落があり、6月にBrexitがあり、11月に米国大統領選挙で大きな相場変動があったんですが、すべて「過去の結果」です。
これと全く同じことは、今年は起こりません。
勝率ではなく、大事なこととは?
訊くべき重要な部分は「過去の結果」ではなく、どんな相場でも適応できるロジック、再現性があるのかないのかです。
「結果」について言えば、全く同じ時期に同じ銘柄、同じ株価で仕掛けても、同じになるとは限りません。
何でかというと、手仕舞い時の判断が、それぞれ違うからです。
例えば、勝率を100%に近付けたければ、買い値の1円上に手仕舞いの注文を直ぐ出せば、相当タイミングの悪い局面でない限り、高確率で勝てます。
勝率を挙げるなんて、容易いことですから。
HFT(高頻度取引)って、こういうことですよ。呼値が1円以下になったのは、こういった業者(投資家)のための優遇措置です。
個人投資家には、ほとんどメリットはないと私は思っています。
1円で買って、2円で売る売買を100万株やれば、100万円儲かります。10銭であれば、10万円です。100万株の売買ですよ。
極端な例かもしれませんが、要はこれを繰り返すことがローリスクトレードだというのが、超短期投資家の考え方なのです。
そして、「一番リスクを取らずに利益を得ているのは誰か?」ということですが、本題とは関係ない話なんで止めます。(^ ^;
個人投資家が求めているのは、1円の利ザヤでしょうか?私はそんなゲームみたいなトレードは好きじゃないですね。
話が逸れました、戻します。
もし、裁量を入れずに2割の利が乗ったら機械的に手仕舞うという堅実売買を実行すれば資金は1.2倍になって終了です。
その後、株価が2倍3倍になったとしても、はじめに勝率や利幅などを個人基準で設定してしまうとハイリターンになるチャンスを逸すことになるでしょう。
「情報」を目にするから後悔する
また、デイトレードができる環境にいる投資家なら、板状況の変化や評価損益の増減という不安定情報が入ってくることで、投資心理に影響を与え、目先の判断をしてしまうんですね。
見ていなければ、情報が入ってこなければ、何も行動を起こすことはなかったのに・・・。という後悔を生むことになるのです。
例えば、昨年11月の米国大統領選挙の結果で、日経平均は約1000円急落しましたよね。そして翌日は、その下げを埋めるかのような1000円幅の急騰。
当日のザラ場中に売買のできる環境にいた人は不安が増幅し、いち早く損失確定に動いたハズです。もしかしたら何も出来ずにフリーズしてしまった人もいたでしょう。
でも、急落を知らなければ評価損を見ることもなく、何事もなかったように、週末を迎えることになります。
すべては結果論ですが、目先の判断が正しいか誤りかは時が過ぎないとわかりません。
今後はAIの時代が来るのか?
最近はAI(人口知能)の時代だと、業界をあげて優位性を唱えていますが、何を基準にどんな予測をしているのでしょうね。
恐らくは目先のリスク回避や金利や為替変動、経済政策などを過去のパターンを当てはめて予測するのでしょうが、過去と全く同じことは起こりませんし、水準や局面が違えば、結果は違ってくるでしょう。
売買判断も、かなり忙しなくなるのではないかと個人的な見解です。
しかも、確率論ですから、想定通りにならなかった場合の痛手はかなり大きくなるような気がします。所謂、「サプライズ」が起きた場合です。
最初の話に戻りますが、最初から勝率や過去実績をアテにした判断で投資をするなら期待値を半分以下にしておいた方がいいです。
相場は机上の計算通りにはなりませんから。
株式投資であなたの人生を豊かにする内容に出会えるかもしれません。
あなたも株式投資で週末副業を行い、豊かな人生を謳歌しましょう。
※参考チャート(菊池製作所:3444)
今日の相場格言
「過去に学べ、しかし過去は繰り返さず」
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