【理想?!】勝率を気にしすぎる個人投資家の末路。

年初のお話

こんにちは。元ディーラーの佐藤です。

今日はちょっと前の、年初の相場についてお話していきたいと思います。(平成ですねw)

 

1/18(金)の日経平均株価は2万0,666.07円で引けました。

一応、週足チャートでは上昇継続、昨年末からの急落に対するリバウンド局面が続いています。

 

年初1日(1/4)だけの週足の翌週から急反発となったので、基本ロジックどおりの買い指値では約定できなかった銘柄が多くなっています。

日経平均やマザーズなどの指数も同様です。

 

一般的にテクニカルではこういうチャートの状態を、「窓開け」「ギャップ」と言います。

前のローソク足と株価が重なる部分がない状態を指します。

 

今回は“ギャップアップ(GU)”と言って、上方向に離れた位置から始まり、そのまま上昇してしまう展開です。

急反転後の反動安である「押し目」のない状態で、そのまま上昇継続となっているので、リスクを負って上値を追いかけて買おうとしない限り、約定できません。

 

リスクを負ってリターンを狙うか、それともスルーして、次のチャンスを待つかは、相場局面は当然ですが、

一番は投資家自身の投資スタンス、リスク許容度によります。

 

その「投資スタンス」を明確にしないまま兎に角、仕掛けてしまって、

「相場状況を見ながら判断していけばいいかー」

という考えでエントリーしてしまう個人投資家が多いのです。

結果、目先の株価変動に一喜一憂して、最終的には「どう処理したらいいか判らない」というパターンになります。

急激の株価変動はなぜ起こるのか?

相場ですから、様々な情報が氾濫しており、波乱要因はエンドレスに続くわけですから、当然です。

波乱要因と言えば、こんな記事がありました。

▼株価の波乱要因?! 超高速取引の実態は

→ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190116/k10011779661000.html

 

年初には為替市場で「フラッシュクラッシュ」が起こりましたが、こういった急激な価格変動の原因の一つが「超高速取引(HFT)」です。

株式市場では1秒間に数千回の注文を出し、極小さな利ざやを稼ぐ手法で、機関投資家などの大口注文に使われています。

 

特に東京証券取引所の売買の7割以上を担っている海外投資家の注文のほとんどは、この超高速取引(HFT)と言われています。

ただ、この超高速取引ですが、個人投資家にはほとんどメリットがありません。

 

売買株数が多い大口投資家のために一部の大型株の取引刻み値が、1円以下(50銭や10銭)になりましたが、個人投資家である皆さんにメリットはありましたでしょうか?

1万株の売買でも、10銭の違いは、たったの1,000円です。

 

東証は売買を活発化(売買高の増加)させるのが狙いと言っていますが、個人投資家としては、売買がしづらくなっただけではないでしょうか。

 

記事にある超高速取引業者ですが、

「相場の波乱要因を作り出しているのではなく、逆に価格の変動を和らげる効果があり、急激な株価変動は高速取引自体が原因ではない」

と言っていますが、こういったプログラム売買がなかった時代には、短時間の急騰・急落という“異常な株価変動”は起こらなかったのです。

 

なお、こういった超高速取引業者の、10銭単位で高速売買を行い、細かく利ざやを稼ぐ投資は、確かにリスクの少ないやり方であると思います。

個人投資家にとって魅力ある投資とは?

しかし、個人投資家がこれを真似することはできませんし、また、そのような小さな利幅を狙った投資に魅力を感じることはないでしょう。

ここに「勝率」を気にしている個人投資家の“曖昧な基準”があります。

 

値幅や利益額、投資期間を含め、勝ちトレードの基準がないのです。

負けはマイナス(実損)でいいのですが、勝ちは1円のプラスでも勝ちなのでしょうか?

「いつまでに」という期間も曖昧です。

 

すべては手仕舞いをした後の結果によって判明することです。

当たり前ですが、評価益の時に利益確定すれば勝ち、評価損の時なら負けになります。

この判断のタイミングを決めるのは投資家本人なのです。

 

利益で終わるチャンスがあったのに、そこで利益確定せずに、マイナスになってから損切りした場合は負けトレードにカウントされるのでしょうか?

皆さんもこういったご経験があると思います。

すべて“結果論”なのです。

 

この超高速取引業者は、初めから小さな値幅、短期間の「高いところ・安いところ」を狙っているのであって、中・長期で大きな値幅(数百円~2倍・3倍・・・10倍)を取ることを期待していないプログラムなのです。

私たち個人投資家とは、根本的に目指しているところが違いますし、仕掛ける前から、投資スタンスが明確になっている投資家と、曖昧なまま売買している投資家の違いでもあります。

 

まずは銘柄を選んだ理由、保有継続・手仕舞い(利益確定・損切り)、投資期間などの判断基準を予め明確にした上で仕掛けるようにしましょう。

その上で株価という「結果」で判断することによって、迷いのない資産運用になります。

 

なお、ほとんどの人はご存じだと思いますが、想定外の株価変動に対する有効な注文方法として「逆指値」というのがあります。

指定した価格より株価が高くなったら「買い」、安くなったら「売る」という条件注文です。

 

例えば、大きな損失にならないように予め条件付けして、自分で決めた株価以下になったら損切り注文を自動的に発注するというものです。※インターネット検索すると詳しい解説がたくさんあります。

証券会社によって、注文の有効期限も様々です。

 

損失を限定できる反面、今回のような一時的な株価変動(急落)に引っ掛かってしまい、デメリットを被ることも多いのです。

 

一般的には、「損切り(ロスカット)が大事である」ということが言われていますが、使い方や局面によっては逆に作用することがあるのですね。

すでにご経験がある方もいらっしゃると思いますが、利益になったと思っていたら、その前にロスカット(逆指値)に引っ掛かっていた、というようなことです。

一般的によく言われている「損小利大」の考え方で、-2%ロスカット、+10%で利益確定という、この-2%の方に先に引っ掛かってしまうことが多いのです。

 

こういった個人投資家の投資行動はアルゴリズム取引などにプログラミングされているのでしょう。

『小さな損失(ロスカット)ばかりが積み上がっている』という方はお気を付けください。

但し、短期(目先)投資においてはとても有効な条件注文方法であることは間違いありません。

要は使い方、局面次第なのです。

マーケットが開いている限り、チャンスは何度でもあります。

株式投資を愉しみましょう!

 

今日の相場格言
「マーケットでトレードする正しい方法は一つではない。自分がどんな人間なのかを知り、自分にとって心地よい投資手法を採用すればいい。」


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