日経平均と個別銘柄の関係性について

日経平均と個別銘柄の動きの関係性

こんにちは。元ディーラーの佐藤茂利です。

「日経平均」=「日本株」

という見方になってしまい、日経平均が下落していると、

『自分の持ち株も下落するのではないか?』という不安(リスク)を解消するために、

取り敢えず手仕舞いという判断をする投資家が多いかと思います。

本日は日経平均と個別銘柄に動きに囚われてはいけないというお話を、過去の相場も見ながらお話していこうと思います

 

3/13(水)の日経平均株価は2万1,290.24円で引けました。

ちょうど1ヶ月前の2/13の日経平均株価は2万1,144.48円で、2日で800円ほど爆上げした時でしたが、本日はその水準と150円程度しか変わりません。

3月に入ってからの日足ベースの上げ下げはこんな感じです。

 

3/12は378円高、本日は213円安、かなり方向感のない上げ下げが続いています。

日経平均下落でも銘柄は個別に動く

 

日々、忙しない展開で、

日足ベースで売買の判断をしている投資家は一喜一憂していることでしょう。

評価損に耐えられず、損切りした途端に株価が戻り、イライラしながら新規で買い仕掛けると、また下がる。

といった感じでしょうか。

ここで注意していただきたいのは、

「日経平均」 = 「日本株」

という考え方です。

 

例えば、当たり前の話なのですが、日経平均が大幅下落した日でもすべての銘柄が同じように、下落しているわけではないということです。上記の表に載せているのは東証一部銘柄だけですが、

マザーズやJASDAQなどの新興市場に上場している銘柄であっても“同じこと”が言えます。

もっと言えば、、、

この日の日経平均は213円安ですが、日経平均採用銘柄であっても、

●値上がり銘柄数:33

●値下がり銘柄数:185

●変わらず銘柄数:7

となっています。

ちゃんと値上がりしている銘柄があり、すべての銘柄が同じ値動きでないのです。

日経平均と個別株の違いを見極める投資法

 

 

市場関係者は日経平均を基準に相場解説をするので、

どうしても・・・

「日経平均」=「日本株」

という見方になってしまい、

日経平均が下落していると、『自分の持ち株も下落するのではないか?』という不安(リスク)を解消するために、

取り敢えず手仕舞いという判断をする投資家が多いのでしょう。

下がれば売る、売れば下がる。という悪循環です。

また、日経平均が上昇しているのに自分の持ち株が同じ上昇率で上がらず、下がる時は一緒に下がる印象をお持ちの方も多いかと思います。

確かに、そういった状況は多々あるかもしれませんが、ずっと同じ動きをするわけではないので、

その一時的な値動きだけ切り取って比較するのは如何なものかと思います。

 

昔、ディーラー時代の話ですが、日経平均が大幅上昇していた時に会社の取締役クラスの方がニコニコしながら、

「今日は大きく儲かっているだろう」

と言いながらディーリングルームに入ってきてディーラーから失笑が漏れたということがありました。

空売りポジションを持っているディーラーもいるでしょうし、保有銘柄が日経平均ほど上がっていないということもあります。

「日経平均の上昇」=「大きな利益」ではないのです。

 

ただし、個別銘柄に全く影響がないということではなく、需給的に一時的にはそれなりの影響を受けるのでしょうが、

その需給調整が終われば、適正株価に戻っていくという考え方です。

 

もし、“日経平均と個別銘柄が同じ動きになる”と思っているのでしたら、

個別銘柄を売買するのではなく日経平均先物や、指数連動型のETFを売買した方がいいのではないでしょうか。

私的には個別銘柄の方が値動きのクセやパターンが分かりやすいと思いますが・・・。

今後も株式投資を愉しみましょう!

佐藤茂利

今日の相場格言
「一貫性のない相場師は敗者」


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